プログラミング基礎 II

第六回 (2010年11月8日)

繰返し

http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2010/PB2/lecture6.html

Martin J. Dürst

前回のまとめ

if 式で条件によって処理を選択
if, elsif, else, end の順番で記述
elsif は0個以上
else はなくてもよい
if と elsif で条件が必要
データの比較の演算子: <, >, <=, >=, ==, !=
if, elsif, else の後にその場合の処理を記述 (複数行可、字下げ!)

前回の演習・宿題

提出: 11月 5日 (金曜日) 22:00 までに Moodle にファイル famous.txt を処理するプログラム famous.rb を作成、投稿:

正常な行はそのまま出力
何か問題のある行では一行で問題一つを明記:
- 項目の数が大きすぎ、小さすぎ
- 項目の頭に「”」がある
- 年齢、身長、体重に整数がない (to_i で結果が 0)
- 値が「unknown」、「不明」など

(プログラムの呼び出しは ruby -n famous.rb <famous.txt)

正解例: 都合により削除 (出力の文書は日本語でも結構)

前回の演習の単純化

データが不明の場合の値が多くて (不明、趣味、syumi, ??, ...)、
プログラムが長くなる
解決方法 (1): 条件の組合せ:
elsif hobby=='不明' or hobby=='unknown' or ...
解決方法 (2): 配列の使用:
elsif ['不明', 'unknown', ...].include? hobby
解決方法 (3、発展): 正規表現:
elsif hobby ~= /不明|unknown|.../

条件の組み合わせ

両方必要 (かつ, and)
身長は 100cm 以上かつ 200cm 以下
height >= 100 and height <= 200
どちらかでも両方でもよい (又は, or)
趣味は「不明」又は「unknown」
hobby=='不明' or hobby=='unknown'
ある条件を満たさない (ではない、not)
例: 値段は千五百円以上でない:
not (price>1500)

データの整理

データの形式が整ってない処理しにくい
正確なデータがないといくら計算しても無意味
(これは GIGO - Garbage in, garbage out といわれている)
プログラムを書くときには
- 入力をできるだけチェックする
  (形式や内容が正しいとは限らない)
- できるだけ正確に出力
  (整った形式、間違ってない内容)

繰り返しの目的と概要

複数のものに対し同じ処理を行うときがある
一個一個に対し処理を繰り返せばよい
例: 複数行の処理
Ruby には複数の繰返しの方法が存在
外部繰返し (-n) は簡単なプログラムしか使えない
明示的な繰返し (while) は特殊なケースに限定すべき
イテレータ (each,...) は Ruby の強み

明示的な繰返し

一般的な形:

while 条件
  繰り返す処理
end

応用例 (1):

while input_line = gets
  if input_line.chomp.split(', ').length < 8
    puts 'Not enough input fields'
  end
end

応用例 (2):

input_data_array = []
while input_line = gets
  input_data_array << input_line.chomp.split(', ')
end

[<< は配列への要素の追加]

イテレータ

Ruby の強み
配列などの処理に使う
単なる繰返し、繰返しに近いもの、その他もある

一般的な形:

配列.method do |変数|
  処理 # 変数を使いながら
end

イテレータによる繰返し

メソッド名は each

応用例:

sorted_data.each do |fields|
  name, yomi, ... = fields
  ...
  puts "#{name}, hobby: #{hobby}"
end

イテレータによる並変え

メソッド名は sort_by; do ブロックの最後の値で並変え