計算機実習 I

第十二回 (2015 年 6 月 25 日)

ファイル入出力、バイナリ入出力

http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2015/CP1/lecture12.html

Martin J. Dürst

今日の予定

ミニテスト
先週の演習
ファイル入出力
文字コード
バイナリ入出力

ミニテスト

授業開始までにログイン済み
授業開始まで教科書、資料、筆箱、財布などを鞄に入れ、鞄を椅子の下に
テスト終了後その場で待つ

前回のまとめ

関数に引数を渡すとき、値渡しか参照渡しを選択
配列は自動的に参照渡しされるが、長さの管理が必要
参照と間接には C 言語でポインタを使用
関数に引数として関数 (へのポインタ) を渡すことが可能

豆知識: うるう秒

地球の回転速度に微妙なブル
うるう秒で調整 (最大年二回)
(日本時間) 7月1日 (水):
08:59:59
08:59:60 ← うるう秒
09:00:00
対応:
- 一般の情報インフラ (PCなど): 内部時計の修正
- 特殊なソフトやハード: 修正してない時刻で処理

前回の演習結果

	11A1	11B2	11C1	11C2
100点	91	84	50	25
60点	2	9	42	52
部分点	-	-	-	13
エラー	-	-	1	2
未提出	1	1	1	2

11C2 の注意点

[昨年度資料につき削除]

標準ライブラリについて

ファイル入出力

リダイレクトで一つのファイル入出力が可能
複数のファイルから読みたい・複数のファイルへ書きたい
ファイル名をプログラムの中から指定したい

標準入力関数とファイル入力関数

機能	標準入力 (`stdin`)	任意のファイル `FILE * f`
準備	(不要)	`f = fopen(name,"r")`
一文字入力	`getchar()`	`getc(f)` 又は `fgetc(f)`
一行入力	`gets(s)` `fgets(s,l,stdin)`	`fgets(s,l,f)`
書式つき入力	`scanf(format,...) %s`	`fscanf(f,format,...) %s`
後片付け	(不要)	`fclose(f)`

標準出力関数とファイル出力関数

機能	標準出力 (`stdout`)	任意のファイル `FILE * f`
準備	(不要)	`f = fopen(name,"w")`
一文字出力	`putchar(c)`	`putc(c,f)` 又は `fputc(c,f)`
一行出力	`puts(s)`	`fputs(s,f)`
書式つき出力	`printf(format,...)`	`fprintf(f,format,...)`
後片付け	(不要)	`fclose(f)`

他に便利な関数

fflush(f): 出力・出力のバッファを空にする
(デバグ用 printf 後に大事)
sprintf(s,format,...): 文字列への書式付き「出力」
sscanf(s,format,...): 文字列からの書式付き「入力」

エラー出力 `stderr`

エラーメッセージを標準出力に出力するには限界:
出力→リダイレクト、エラーメッセージ→画面
stdin, stdout と同様に stderr ファイルが常に用意
stderr への出力にはファイル出力の関数が必要
malloc などの定石でも本来、エラー出力を使用

応用例 (演習で必ず使用):

if (!(file=fopen("myfile.txt","w"))) {
    fprintf (stderr, "Cannot open file myfile.txt for writing.\n");
    exit(1);
}

文字コードの概要

計算機内に文字が一バイトから数バイトまでで表現される
文字コードによって、同じ文字のバイト数・バイト値が違う

文字コードの実例
文字	青			山			A		o		y
`Shift_JIS`	8E	52		90	C2		41		6F		79
`UTF-8`	E9	9D	92	E5	B1	B1	41		6F		79
`UTF-16` (BE)	97	52		5C	71		00	41	00	6F	00	79

従来の日本語用文字コード

"JIS" (iso-2022-jp、電子メールなど)
"SJIS" (Shift_JIS、Windows PC, MacIntosh)
(CP932 は SJIS の変形)
"EUC" (EUC-JP、Unix 系)

世界的な文字コード

世界的な文字集合: Unicode/ISO 10646/JIS X 0221/...

ユニコードの符号化:

UTF-8: US-ASCII と互換性が非常に高い
UTF-16: 殆どの文字が16ビットで表現
UTF-32: 全ての文字が32ビットを使用

コンパイル時と実行時の文字コード

gcc での文字コード指定:

-finput-charset=文字コード: ソースの文字コード
-fexec-charset=文字コード: 実行時の文字コード
設定がない場合、UTF-8

表示に使用される文字コード:

コマンドプロンプト: システムの文字コード
(日本語 MS Windows の場合、Shift_JIS 系)
Cygwin Terminal: Options... → Text → Character set で設定可能

バイナリ入出力

データを文書に変更せず、バイナリのまま入出力
入出力が早くなるが、機種依存が高い
fopen には "rb", "wb", "r+b" 等を使う (参考書 p. 318)
ファイル内の位置は fseek 関数で変更可能
fwrite 関数で書き、fread 関数で読む

テキスト出力とバイナリ出力

	テキスト	バイナリ
整数	十進数に変更 (数値の大きさによって桁数が違う)	そのまま (`int` が 4バイトなら4バイト)
文字列	`'\0'` まで	決まった長さ (ゴミを含む可能性)

例: fwrite.c

ファイルの内容の確認

テキストファイル:

cat file.txt で画面に表示
プレーンテキストエディタで開く

バイナリファイル:

od -hc raw.bin 又は hexdump file.bin で画面に表示
特殊なエディタで開く

`fread` 関数と `fwrite` 関数

引数は四つ:
- void * のプログラム内の書き出したい、読み込みたい場所
- size_t (普通は int) の要素 (レコード、構造体) 1 個の大きさ (バイト)
- size_t のレコードの数
- FILE* のファイルポインタ
戻り値は成功したレコードの数
読むときと書くときの間に必ず fseek または fflush が必要
実例: fwrite (students, sizeof(Student), studentCount, rawFile);

`fseek` 関数

現在の読む・書く位置の変更
ビデオテープなどと類似 (巻き戻しなど)
引数は三つ:
- FILE* のファイルポインタ
- long のゲタ (バイト)
- int の種類:
  - SEEK_SET: ゲタはファイルの頭から
  - SEEK_CUR: ゲタは現在位置から (負も可)
  - SEEK_END: ゲタはファイルの末尾から (0 か負)
戻り値: 成功の場合に 0、そうでない場合に EOF

Q&A フォーラムの題名

問題番号
エラーメッセージの要点
check number
ステップの番号 (12B1)
line number
byte number (12C1/2)

今日の演習

12A1: ファイル出力
12A2: ファイル入力
12B1: 文字コード (各ステップを正確に! 紙は必ず今日提出)
ソースファイルの文字コード、実行時の文字コード、出力の文字コードの関係の体験
各文字種の一文字あたりのバイト数の調査
12C1: バイナリ出力
12C2: 学生の「データベース」 (部分点、発展問題、締切は月曜日)

次回の準備

残りの演習問題を宿題として完成
総合復習テストの準備 (Q&A フォーラムへの質問・回答も含む)

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ファイル入出力、バイナリ入出力

Martin J. Dürst

今日の予定

ミニテスト

前回のまとめ

豆知識: うるう秒

前回の演習結果

11C2 の注意点

標準ライブラリについて

ファイル入出力

標準入力関数とファイル入力関数

標準出力関数とファイル出力関数

他に便利な関数

エラー出力 stderr

文字コードの概要

従来の日本語用文字コード

世界的な文字コード

コンパイル時と実行時の文字コード

バイナリ入出力

テキスト出力とバイナリ出力

ファイルの内容の確認

fread 関数と fwrite 関数

fseek 関数

Q&A フォーラムの題名

今日の演習

次回の準備

エラー出力 `stderr`

`fread` 関数と `fwrite` 関数

`fseek` 関数