XSLT 発表資料

XSLT とは

XSL Transformations の略
XML 文書向けのスタイルシート言語
- XML ベースの言語
XML 文書の一部または全部を指定して別の XML 文書や他のテキストに変換することが可能
- プログラムの側面が強い

XSLT による変換の簡単な例

book.xml

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<?xml-stylesheet type="text/xsl" href="bookStyle.xsl" ?>
<books xmlns:books="http://www.example.com/books">
  <book isbn="978-7741-3031-6">
    <!--ISBN-10:7741-3031-6-->
    <題名>必修 XML</題名>
    <著者>加山恵美</著者>
    <publisher>技術評論社</publisher>
    <price>2180 JPY</price>
  </book>
</books>

XSLT による変換の簡単な例

bookStyle.xsl 実行結果

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?>
<xsl:stylesheet
  xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform"
  version="1.0">
  <xsl:template match="/">
    <html>
      <head><title>変換テスト</title></head>
      <body>
        <table>
            <tr><td><xsl:value-of select="child::books/child::book/題名" /></td></tr>
            <tr><td><xsl:value-of select="child::books/book/@isbn" /></td></tr>
            <tr><td><xsl:value-of select="child::books/book/child::comment()" /></td></tr>
            <tr><td><xsl:value-of select="child::books/book/publisher/../著者" /></td></tr>
        </table>
      </body>
    </html>
  </xsl:template>
</xsl:stylesheet>

XSLT による変換の手順

XSLT による変換は以下のように行われる。

XSLT スタイルシートを読み込み、テンプレートの探索
XML 文書をたどり、テンプレート内の XPath で指定されたノードを選択
テンプレートで指定された処理を実行
2～4を XML 文書の最後まで繰り返す
変換された文書を出力

XPath とは

XML Path Language の略
XML 文書中で特定のノードを指し示すための記述
XSLT 以外にも XPointer や XQuery で使用

XSLT と XPath の歴史

1999年11月16日 XSLT 1.0 が勧告
1999年11月16日 XPath 1.0 が勧告
2007年1月23日 XSLT 2.0 が勧告
2007年1月23日 XPath 2.0 が勧告

ノードで考えた時の XML 文書の構造

XML 文書は木構造の文書
- どんなノードでもたどることが可能
ノードにはいくつか種類がある
- ルートノード：全要素の祖先
- 要素ノード： XML 文書の要素
- 属性ノード：要素に付属する属性
- コメントノード： XML 文書のコメント
- テキストノード：要素内のテキストや要素間のテキスト（改行や空白など）
- 処理命令ノード：処理命令（スタイルシートの呼び出しなど）

ノードを指定する書式

ロケーションパス

木構造からノードを特定する記述
2種類の記述方法
- 絶対ロケーションパス：ルートノードからノードの位置を指定
- 相対ロケーションパス：任意のノードから相対的なノードの位置を指定
起点のノードはコンテキストノード

ロケーションステップ

ロケーションパスにある命令や指示の単位のこと
軸::ノードテストと記述
各ロケーションステップの間は / で区切る

ロケーションパスの例

child::hogehoge/attribute::foo

軸

ロケーションステップでの移動の方向
大まかに分けると2種類
- コンテキストノードからの関係を示すノード（下図）
- 要素に付属するノード ( attribute, namespace )

親子関係の軸

隣接関係の軸

ノードテスト

軸で選択したものから更に細かい条件でノードを指定

ノードテストの種類

要素名：指定した要素名のノード
属性名：指定した属性名のノード
text() ：テキストノード
comment() ：コメントノード
processing-instruction() ：処理命令ノード
node() ：すべてのノード
* ：特殊

* で指定するもの
軸	* で指定するもの
attribute	すべての属性ノード
namespace	すべての名前空間ノード
その他	すべての要素ノード

述語と省略形

述語

ロケーションステップでノードの指定を補足する記法
軸 :: ノードテスト [ 述語 ] と記述
述語には演算子や XPath で使う関数を記述
常に必要なわけではない

省略形

軸とノード	省略形
child::	丸ごと省略可能
attribute::	@
self::node()	.
parent::node()	..
descendant-or-self::	//

XPath の関数

関数の種類	関数の役目
ノードセット関数	ノードから情報を取得
文字列関数	文字列の処理
ブール関数	真偽値に関する処理
数値関数	数値の簡単な処理

XSLT のテンプレート

XSLT による変換の中心部分
xsl:template 要素の match 属性に変換するノードのロケーションパスを記述
xsl:template 要素内に変換する処理を記述
xsl:value-of 要素の select 属性にロケーションパスを記述するとそのノードの値を取得
どの要素・属性をどのように変換したいかを定義したものがテンプレートルール

テンプレートルールの一例

<xsl:template match="/">
  <hoge><xsl:value-of select="foo/bar"/></hoge>
</xsl:template>

XSLT のテンプレート

xsl:apply-templates 要素があるとテンプレートルールを順次処理可能
xsl:apply-templates 要素の select 属性を使うとテンプレートを適用するノードを限定

条件分岐、繰り返し

条件分岐 (xsl:if 要素 )

<xsl:if test="式">真の場合の処理</xsl:if>

条件分岐 (xsl:choose 要素 )

<xsl:choose>
  <xsl:when test="式">真の場合の処理</xsl:when>
  <xsl:otherwise test="式">真の場合の処理</xsl:otherwise>
</xsl:choose>

繰り返し (xsl:for-each 要素 )

<xsl:for-each select="式">繰り返し処理</xsl:for-each>

テンプレートを使ってできること

新しいノードを生成

xsl:element, xsl:attribute など

ノードをコピー
- xsl:copy, xsl:copy-of

まとめ

XML 文書はルートノードから始まる木構造
XPath はノードをたどることで任意のノードを指定
XSLT は文書の処理を行うテンプレートの集合体
XSLT は XPath と組み合わせることで柔軟に XML 文書を変換できる