情報数学 I

第八回 (2008年11月 21日)

関係の応用

Martin J. Dürst

duerst@it.aoyama.ac.jp

http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2008/Math1/lecture8.html

AGU

© 2005-8 Martin J. Dürst 青山学院大学

今日の予定

先回の復習

A の中の関係 R に対して次の性質がありうる:

  1. 反射的 (reflexive): xRx; xA ⇒ (x, x) ∈ R
  2. 対称的 (symmetric): xRyyRx ; (x, y) ∈ R ⇒ (y, x) ∈ R
  3. 反対称的 (antisymmetric): xRyyRxx=y
  4. 推移的 (transitive): xRyyRzxRz

半順序

順序関係の例

順序関係の表現: ハッセ図

有向グラフからハッセ (Hasse) 図への変換:

  1. グラフを矢が全て紙面の下辺に向けるように配置
  2. 反射的矢印を省略
  3. 推移的閉包で復元可能な矢印を省略
  4. 矢印の頭の部分を省略

例 1: 上記 1. から 4. の前後関係

例 2: {10, 5, 3, 2, 1} の「割り切れる」関係

全順序

ある集合 A の全ての元 ab に対して ab 又は ab が成り立つ場合にはその順序関係を全順序関係、あるいは線形順序関係という

例: 整数、実数など; 日付や時間; 辞書での単語の順番