プログラミング基礎 II

第三回 (2006年10月16日)

XPath の基本: 要素の簡単な選択

http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2006/PB2/lecture3.html

Martin J. Dürst

duerst@it.aoyama.ac.jp

O 棟 529号室

© 2006 Martin J. Dürst 青山学院大学

目次

• 先々週のまとめ・演習・宿題
• XPath の目的
• XPath の簡単な例
• ノードセット
• 軸、ノードテスト、述語
• 演習

先々週のまとめ

• XSLT は XML の処理を木構造を使って行う
• 木構造のノード (節) の種類:「ルート」、「要素」、「テキスト」、「コメント」、「処理命令」、「属性」、「名前空間」
• 名前空間は名前空間 URI、修飾名 (接頭辞:ローカル部) からなる
• 接頭辞は任意である
  (例: <xsl:transform xmlns:xsl='http://www.w3.org/1999/XSL/Transform'...,
  <hoge:transform xmlns:hoge='http://www.w3.org/1999/XSL/Transform'...)

先々週の演習・宿題

• 前期と似たように、本のデータを作る。例: book.xml
• 皆のデータのまとめ: books.xml

XPath の目的

• 木構造の XML の中の道を指定する
• XSLT だけではなく、他の仕様書にも使えるの仕様として独立
• XSTL ではあらゆるところで XPath が使われている

XPath の簡単な例

• /books: トップの books 要素
• /books/book: books の下の book 要素
• /books/book[5]: 五番目の book 要素
• /books/book/@isbn: book 要素の isbn 属性
• /books/book[@isbn]: isbn 属性のある book 要素
• /books/book[@isbn="1-23456-7890"]: isbn 属性が 1-234... の book 要素

ノードセット

• 指定によって (道の終わりの) ノードが一意に決まらない
• そういう場合には XPath の結果がノードの集合 (node set)
• 複数のノードに処理が適用される場合もある
• 更なる指定が必要な場合もある

絶対パスと相対パス

(absolute path and relative path)

• パスは道を指定する
• 道の一歩一歩は / で区切られている
• / で始まるパスは絶対パス (文章のルートから)
• 他のパスは相対パス (現在のノードから)
• . は現在のノードを示している

ステップ

• 道の一歩一歩はステップ (step)
• ステップは一般的に次の形になる:
  axis::node-test[predicate]
• 一部のものは省略可能

XPath の軸

(axis)

• 軸は道の方向を決める
• 一般的な書き方は axis::
• child::、attribute:: と descendant:: は大体省略可能
• parent::、anchestor::、preceeding:: などは省略不可能

省略記法

• my-element: 子供要素 (child::my-element)
• @my-attribute: 属性 (attribute::my-attribute)
• .: 現在のノード (self::node())
• ..: 親ノード (parent::node())
• //: 子孫ノード (/descendant-or-self::node())
• *: 全ての名前の (要素) ノード

ノードテスト

(node test)

• 名前によるテスト (要素名、属性名)
• 種類によるテスト:
  • text()
  • comment()
  • processing-instruction()
  • node() (要素ノードだけではなく、テキスト、コメントも含む)

述語

(predicate)

• ステップに条件がつけられ、それによって対処ノードを減らすことができる
• 例:
  • [7]: 七番目のノード ([position()=7] の略)
  • [my-element]: 子要素「my-element」の存在のチェック
  • [@my-attribute]: 属性「my-attribute」の存在のチェック
  • [@my-attribute="hoge"]: 属性の値のチェック
• ステップは進むが、述語はテストだけ

演習

提出: 10月22日 (日曜日) 22:00 までに Moodle に投稿

• hello.xsl を変更して、books.xml から色々なデータを取り出せるようにする。
• 例:
  • 六番目の本の isbn
  • 八番目の本の値段
  • 二人目の著者
  • 二人目の著者のある本の題名

  (注: value-of はノードセットの初めのノードだけを文字列に変換)

• 自分で他に面白いデータの取り方を考え、上位のものを含め合計10種類を実装し、色々試してみてください。