言語理論とコンパイラ

第十回: yacc 系ツールの演習 (続き)・意味解析と中間表現

2005 年 6月30日

http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2006/Compiler/lecture10.html

AGU

© 2006 Martin J. Dürst 青山学院大学

補講の日程

7月11日 (火曜日) 4限 E202

全体の日程

演習例: 簡単な電卓

途中経過のファイル: makefile, calc.y, calc.lex

今回の改善:

bison の仕組みとデバッグ

宿題: 複素数の電卓

提出: 再来週の金曜日 (7月7日) 10時45分、O 棟 529号室の前

簡単な電卓を複素数の電卓に拡張してください。複素数の表し方は 5i で虚数を表し、[実部,虚部] で複素数を表すようにして下さい。[] 内には実数演算は許されるが 5i みたいなものが使えないように文法を設計してください。

complex.lex と complex.y を提出ください。紙の大きさは A4。複数の紙はホチキスで止めること。

宿題のヒント

言語理論のまとめ

文法 Type 言語 オートマトン
句構造文法 0 句構造言語 チューリング機械
文脈依存文法 1 文脈依存言語 線形拘束オートマトン
文脈自由文法 2 文脈自由言語 プッシュダウンオートマトン
正規文法 3 正規言語 有限オートマトン

構文エラー処理

エラー処理の難しさ

エラー処理の要点

エラー処理の技法

bison でのエラー処理

コンパイラの段階

字句解析 (lexical analysis)

構文解析 (parsing; syntax analysis)

意味解析 (semantic analysis)

最適化 (optimization)

コード生成 (code generation)

中間表現: 名前表

名前表が扱うデータ

中間表現: 構文木

簡単なプログラム言語と簡単なマシーン・アーキテクチャの場合 (例えば Pascal からスタック・マシーン) には構文解析しながらコード生成を行う (すなわち構文木を生成しない) こともある

構文木の生成: 構文規則ごとの処理で生成。例:

expression: expression '+' term { $$ = $1 + $3; }

を次に変える:

expression: expression '+' term
{ $$ = newnode(PLUS, $1, $3; }

(YYSTYPE も変更)

構文木は普通二分木が、関数の引数などに特別な措置が必要

意味解析

型が同じかどうか複数の定義がある: